折れない心 ーrescue J guy's blogー

元航空自衛隊のRESCUEパイロットが自分のやりたいこと、自分が何ができるかを発見できるようになる、折れない心(レジリエンス)について4つの原則を中心にお話ししてます。また、航空関連ニュースに対しての個人的な感想や意見もアップしています。

初の?航空身体検査

高校を卒業して以来、初めて民間病院での身体検査を受験しました。

しかも、航空身体検査です。

自分の忘備録として、今回受験したことを記録します。

 

航空身体検査とは

 

パイロットになるには、航空身体検査を受験し、有効な航空身体検査証明書を保有していることが必須です。

訓練生であるときは、操縦練習のために身体検査を受験しなければいけませんし、事業(仕事)をするにしても、有効な証明書が必要になります。

厳密な話をすると、航空法にその細部が記載されていますので、興味がある方はどうぞ。

(航空身体検査は31条です。)

航空法

さらに詳しいことが記載している、航空法施行規則です。(61条)

携帯六法 航空法施行規則

 

 

航空身体検査|一般財団法人 航空医学研究センター

 

 航空身体検査受験

 

それで、今回の航空身体検査受験を愛知県常滑市にある常滑市民病院で受けました。

市民病院の中に、健康管理センターという部署があり、そこで一般の身体検査などを行なっています。航空身体検査もここが窓口でした。

 

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航空身体検査の項目

項目自体は、航空法施行規則 別表第4(第61条の2関係)に載っています。

前職以外では初めて受けるので、どんなふうに調べられるのかとドキドキしていきました。

 

かなり項目があるように見えるのですが、実際のところは通常の身体検査にパイロット独特の項目があると思ったらいいです。

 

例えば、視力で行くと通常は遠距離だけのところ、中距離、近距離という項目が増えます。また、視野や色覚についても調べられます。

 

色覚は小学校の入学時に調べてもらった人がいるのではないでしょうか?石原式という色覚検査を受けました。

 

参考になるサイトをリンクさせておきます。

www.h-nc.com

 

一番心配したのが、「脳波検査」!

何が心配かというと、「検査中は寝てください」って言われるんですよ。

 

寝られなかったら身体検査が終わらない・・・・

必死で寝ようと思いましたが、気付いた時は寝ていました。 

 

身体検査には賞味期限がある

 

賞味期限=有効期限のことなんですが、一般的なパイロットが受験する航空身体検査の有効きけんは、半年か1年の有効期限があります。

 

これは、少し区分けがあって、エアラインで飛んでいるような旅客機パイロットは、40歳未満だと1年、40歳以上だと6ヶ月(半年)になっています。

 

これは、エアラインのパイロットが旅客の安全を第一に考えているので、身体検査も40歳を超えると半年に1回受けて、体調管理をしているんですね。

 

一方、僕のような事業用パイロットの免許を持っている人は、60歳になるまでは1年間の有効期限があります。

 

 

前職(航空自衛隊)では

航空自衛隊パイロットも航空身体検査を受験します。

 

初めて受験したのが、航空学生(以下過去記事)受験の時に受けた甲種の身体検査です。

 

www.orekoko.com

 

 

これは、操縦要員(パイロット)やその他の航空要員の選抜時に行われるものです。

なので、パイロットになってからは、乙種と呼ばれるものを継続受験します。

 

検査項目が載っている訓令のリンク先

       ↓

http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1957/ax19580106_00001_000.pdf

 

 今回受験して感じたこと

 

視力について

 

視力については、この1年くらいはフライトすることがなかったので、正直いうと自己管理できていませんでした。少し見えづらくなっていて、この時の検査では0.8まで落ちでました。(後日受験した通常の身体検査では、1.2ありました。)

 

ですので、パイロットになるだけではなく、将来的に何かをしたいと思っている人には、視力が悪くてなれませんでした、ということがないように自己管理してほしいと思います。あとで後悔しないように。

 

検査項目について

検査項目自体は、航空自衛隊と一緒なんですが、違うことが多くあります。

それは、航空自衛隊パイロットは主に、「戦闘機に乗って戦えるか」という判断基準が大元になっているからです。

 

今回、歯科の項目はなかったのですが、航空自衛隊の検査では歯科は重要でし。

 

もし虫歯があったまま飛行して、気圧の変化で虫歯の部分の空気が膨張したら、歯が痛くてフライトどころの騒ぎじゃ無くなります。

 

また、重力(G)に耐えながら飛行するパイロットの歯は噛み合わせが良くないと、歯をくいしばるので歯がボロボロになります。ですので、歯科に関してはかなり厳しく見られました。親知らずも抜かされましたよ。(今はどうなのかな?)

 

終わりに

 

身体検査を受けなくなって約1年後に受験した、航空身体検査でしたが、正直いうとドキドキでした。

 

というのも、自衛隊在職時は規則正しい生活をしていたので、大きな変化があれば自分でコントロールできます。

 

ただ、退職したのちは、自らが考えて行動しているので、規則正しく自分を管理することが難しかったのです。

 

一般の病院で受験する航空身体検査よりも、かなり厳しい基準で検査をパスしていたとしても、この1年で自分の体がどうなっているか、わからない、というのが正直不安でした。

 

約半日かけて受験し、等に異常がないと聞いた時は、ほっとしました。が、着替える時に脇汗をすごいかいていることに気づき、体は正直に反応していたんだとわかりました。

 

今回、受験したのもパイロットの仕事に再度挑戦しようと思ったからです。

 

そのことについては、後日また改めてブログにまとめていきたいと思います。