折れない心 ーrescue J guy's blogー

元航空自衛隊のRESCUEパイロットが自分のやりたいこと、自分が何ができるかを発見できるようになる、折れない心(レジリエンス)について4つの原則を中心にお話ししてます。また、航空関連ニュースに対しての個人的な感想や意見もアップしています。

感じることの大事さ

最近、感じてますか?

 


ある人を最近見ていると、なんだか仕事に一生懸命になり過ぎてて、窮屈に感じます。

 


人間は社会的生き物ですから、その社会のルールにのって仕事をし、皆さんの役に立つことが大事。

 


でも、そもそも、本人が持ってる感じる力を大事にしなくては、社会のルールにうまく乗っかっても苦しくなるだけのように感じてます。

 


心も、身体も、本来の自分の姿に戻ると、とても気持ちが良くなる、とても安らぐことができる。

 


そんな仲間、パートナーを大事にしてください。

 


見失いそうな時は、誰かを頼って見てくださいね。

人命救助の先にあるものとは

人の命を救うのは、崇高な任務である。

 

そう言われ続けて何年になるだろうか。

 

救助現場に駆けつけ、命ある肉体を元の場所に連れ帰る。

 

救助現場に駆けつけ、命尽きた肉体を帰るべき家族の元へ連れ帰る。

 

救助現場に駆けつけ、捜索するも見つからず自分たちだけ帰る日。

 

救助現場にさえ行けず、何もできない日。

 

 

 

もう少し、能力があれば助けられたのに。

 

もう少し、こういう装備があれば助けられたのに。

 

もう少し、天候が良ければ助けられたのに。

 

もう少し、早く状況がわかっていれば助かられたのに。

 

 

自分には何ができるのだろう。

自分は何をしなくては行けないのか。

 

 

色々と考える日々である。

 

答えは無い。

 

でも、わかっているのは、自分は非力であるということ。

 

できることは限られている。

 

できないこともある。

 

日々、

悩み、

悲しみ、

改善し、

喜び、

過ぎていく。

 

これが、人命救助をすることであり、この道を選んだ私の人生なのだ。

 

どの道を選んだ人も、

同様なことを悩むかもしれない。

それでも、

その道を歩き、

生きていきながら様々なことを考える。

 

そして、その結果がどうであったかは、

自分の命が尽きた時に初めてわかる。

 

人命救助の先にあるものは、

 

「人生そのもの」

 

 

F35の事故調査報告について思うこと

先日のF35の事故の詳細がわかる記事が紹介されてました。

 

F-35A事故調査提出、パイロット回復操作の可能性も – 旅行業界・航空業界 最新情報 − 航空新聞社


断定はできないものの、事故に至った原因の一つにバーティゴが挙げられてます。記事もそのことについて書かれています。

 


バーティゴは経験したことのない人には理解するのが困難です。

 


僕も今日、意図せずバンクを40度までとってました。

 


サイドバイサイドで横に誰かが乗ってる飛行機ならば、チェック機能が働きますが、一人乗りの戦闘機は頼りになるのは自分しかいません。

 


私が学生パイロットで飛び始めた頃、毎日が評価(点数)付くフライトで厳しい毎日でした。

 


ある点数以下を連続で取るとクビになります。

 


でも、クビになった人でも、その後、自分で免許を取り、空の仕事をしている人が多いのです。

 


では、なぜクビになるか。

 


それは、

戦闘で一人飛んで、

無事に帰って来られるかどうか、

それを教官は見ています。

 


これ、輸送機でも救難機でも一緒です。

クルーで飛んでる飛行機は、機長として飛べるかどうかが大事です。

 


機長として、任務を完遂して、クルー全員を安全に基地まで返すことができるか、

そこにつきます。

 


話が長くなりましたが、いくら厳しい訓練を乗り越えてきてもバーティゴには勝てません。

 


バーティゴに入りやすいことを認識し、

バーティゴに入った時にどう対処するかを準備する。

 


それくらい厳しい環境で訓練されている方々がいることに感謝しつつ、自分も事故防止につながる訓練をしていこうと改めて思いました。

 


亡くなられたパイロットの今までのご努力に敬意を表し、そして、ご冥福を祈ります