折れない心 ーrescue J guy's blogー

元航空自衛隊のRESCUEパイロットが自分のやりたいこと、自分が何ができるかを発見できるようになる、折れない心(レジリエンス)について4つの原則を中心にお話ししてます。また、航空関連ニュースに対しての個人的な感想や意見もアップしています。

沖縄 米軍ヘリ事故 炎上について思うこと

今回も、思うことを私見で書いていきます。

まずは、ネットで拾った情報を貼り付けます。

www3.nhk.or.jp

www.okinawatimes.co.jp

 

 

 

f:id:rescueJ:20171013160916j:plain

事故は無くなるか

 

事故は無くならないです。

それは、事故というカテゴリーは人間が決めているから。

何も問題にならないことは事故と呼ばず、なんかしら私たちの生活に影響を及ぼすことを事故と決めているからです。

 

私たちの影響(自然)として捉えれば、どこに落ちても何かの影響はあるものです。

例えばこんなものも。

headlines.yahoo.co.jp

 

実際に、歴史の中で事故とはその時代の中で起きたことで、永遠の定義では無いからです。

 

 

米軍機の事故

 

米軍は、今回の事故については遺憾とは思っているかもしれませんが、クルーが全員無事だったことを考えたら、大きな問題にはならないと考えていると思います。

 

今回、着陸後に炎上したヘリは海兵隊のヘリコプターです。

海兵隊に所属していたわけでは無いのですが、海兵隊の特徴をいうと、

 

「機材にはお金をかけない。数を揃える。古くても構わない」

 

こんなところです。

 

だから、高級なヘリコプターを大事に扱っている自衛隊に比べると、信じられない状態で日々の訓練と任務に使用しています。

 

ですから、仮に米軍側の整備がいい加減だとしても、彼らからすれば問題のないレベルであるかもしれないですし、機材の老朽化もわかった上での運用だったと思います。

 

繰り返しますが、クルー全員が生存していたことは何よりも、

「よくやった」

と、米軍内では判断されると思います。

 

 

沖縄の立場

 

沖縄の立場からすると、米軍が何をしても反対するし、抗議するというのが最近の流れです。

 

客観的に物事を見るということをあえてせず、沖縄(県知事)の立場のみで情報を発信しています。

 

先ほどのリンクで「ヤンバルクイナの繁殖地・・・」という記事を現地の記事が書くこと自体、物事の本質を見ない良い例だと思います。

 

同じ事故をドクターヘリが同じ場所で起こした場合、どのように記事にされるのでしょうか。言わずともわかると思います。

 

ですので、今回の事故も米軍機の事故に何が問題があった、ということよりも、米軍機が事故を起こした、ということ自体が問題として捉えています。

 

 

物事の捉え方

 

折れない心、レジリエンスで度々お話するんですが、ある事象が起きた時にそれを100人の人が目撃したら、100通りの解釈が発生します。

 

もちろん、似通った解釈をされる方は多くいると思いますが、100パーセント同一ということはほぼありません。

 

これは、その人それぞれが思考の「枠」「捉え方」を持っているからです。

 

産経新聞沖縄タイムスの記事を貼り付けてのは、少なからず記事の切り口が違うからです。

 

切り口が違うこと自体を非難する必要はないと思いますが、これらの記事がどういったバイアスを持っているかということを読者は知っておかなければ、誤った物事の見方をした情報を取り入れてしまうかもしれません。

 

私の捉え方

 

私は、元航空自衛官パイロットでした。米空軍、陸軍との接点もありましたので、彼らがどのようなことを考えているかは、民間の方より肌身に感じていると思います。

 

そして、私は日本が大好きです。できれば、米軍基地が日本にない状態で日本の平和と発展を図りたいとも思っています。

 

でも、今はまだその時期ではありません。

 

今回の事故の結果をみて、安全なところに降りて、しかもクルーが全員助かったのは機長の経験が豊かだったのだろうというところです。

 

 

www.orekoko.com

 

終わりに

 

航空機で発生する火災は恐ろしいもので、あっという間に燃え広がります。

私は、洋上で訓練することが多かったので、航空機でトラブルがあった時にいかにしてクルーの命を守るかということを中心に考えていました。

 

なんとか、クルーだけは航空機から脱出させ、安全なところまで航空機をコントロールして海没させる。その後、なんとか脱出し合流しよう、それだけでした。

 

陸上部においては、洋上とは違いどこに着陸しようと考えながら航空機をコントロールし、状況を管制機関や部隊に伝え、そしてクルーの命をどう生かすかを考えます。

 

ですので、普段の何気ない訓練場所への往復でも、不時着できる場所があるルートを意識して飛行したり、むやみに住宅密集地の上空を飛ばないように心がけていました。

 

守るべき国民を殺そう、危害を与えよう、などと考えて飛んでいる軍人はいません。

米軍人でさえ、自国民ではないですが、日頃から同盟国の国民を殺そうなんて思っていません。

 

航空機事故が起きることに反対されるのではあれば、まずは飛行機に乗らない生活をしてほしいものです。