元空自のレスキューパイロットが折れない心を伝えています。
今回、言わせて欲しいことがあります。
事故に遭遇した長野県消防防災航空隊のヘリコプターに搭乗されていた全てのご家族、縁者の方へ
みなさんの愛する、息子さん、旦那さん、お父さんそして、恋人だった方々は、住民の救助という崇高な任務を行うために、日々、自らの危険と隣り合わせの訓練を続けていました。
誰もが、県の財産であるヘリコプターを墜落させたいとは思っておらず、最後の最後まで、命を救うための活動に取り組んでいました。
これから、過去の事故などの情報を元に、事故原因の調査が行われることと思います。
専門家という人の推測という、最もらしい情報が報道されると思います。
専門家でない人の憶測での報道もあると思います。
でも、一つだけ信じてください。
事故の原因が、航空機のトラブルであったにしろ、人為的なミスであったにしろ、みなさんの愛する人たちは立派な人だったということ。
事故の原因が究明されるべきです。
それは、同様な事故を防ぐためであり、誰かを悪者にしたいわけではありません。
誰かを責め始めたら、誰も救われません。
私は、親族を事故などで失ったことはなく、本当にみなさんの心情を理解しているかといえば、そうではないと思います。
私は、とても信頼する先輩パイロットや尊敬する救助のプロフェッショナルを航空事故で失いました。
彼らを荼毘に付すまで見送りました。この世にすでに肉体はありません。
それでも、私の中には、生前のみなの笑顔と救助に対しての真摯な思いが生きています。
今回、失ったものも多いです。
でも、彼らが残してくれたことも多いはずです。
それだけは、忘れないでください。
まだ、事故現場で救助を待つ隊員がいます。
最後まで、望みを捨てずに待ちたいと思います。
また、これから救助に向かわれる全ての人が無事帰還することを願っています。